2019年12月27日のコト。

「読みたいことを、書けばいい。」

この本はとても読みやすい。

読書の苦手な私でもささっと読めた。

著者の田中泰延さんは(たなかひろのぶ と読む)

膨大な文字にまみれてきたのだろう。

その膨大な経験と知識を背景に

田中さん個人の「底意地の悪さ」がベースとなって

鋭い刃物のようにサッと切りつけてくる。

底意地の悪さといったのは

何も批判しているわけではない

双子の赤ちゃんの誕生日に

生クリームいっぱいの

おいしそうなケーキが

目の前に出されました。

その時一人の赤ちゃんは・・・

クリームをちょんと手に取り

ニコッと笑ってひと舐めする。

もう一人の赤ちゃんは・・・

こぶしを振り上げて

バスッとケーキをつぶし

キャッキャキャッキャと笑ってる

私のいう底意地の悪さとは

後者の赤ちゃんのもつ性根である。

これどちらも赤ちゃんだから

同じ喜びの表現として肝要に受け止められる。

底意地の悪い行動は

底意地のいい人には理解しがたいが、

底意地の悪い行動には

思いもよらない魅力を醸し出す。

田中さんの文章には

愛くるしい底意地の悪さがある。

鋭い刃物と書いたのは

私自身がその刃物に切りつけられて

なかなか止血できない傷を負ったからだ

傷とは、こうやって書いている

いまこうやって書いていることで

なんだか心がズキズキと痛いのだ。

田中さん、あなたちゃんとしてるよね。

ちゃんとしているあなたにそう言われると

ちょっとこれからやりにくいんだけどなぁ。

でも、やりたいんだったらやってみなって言うから

自分なりに考えてやってみようと思うよ。

最後には田中泰延さん(ひろのぶ と読む)に

このように心の中で言ってしまう一冊だった。

ーー

読みたいことを、書けばいい。

ダイヤモンド社 1500円(税別)